若坊守ご挨拶

昨年7月に結婚してからこの1年、皆様にはいつも「あまり頑張らないように」「大丈夫かい」「お寺での生活は慣れたかい」などたくさんお声かけいただきました。お寺の事を勉強する間もなく赤ちゃんを授かり、行事の時など何も出来ないにも拘わらず、妊娠中も皆様に暖かく見守っていただいたお陰で、1度のつわりもなく、風邪をひくこともなく、母子共に元気に過ごさせていただきましたこと感謝しております。

6月24日、当日予定されていた検診のため、朝病院へ行ったところ、破水のためそのまま入院となりました。普通分娩の予定でしたが、午後6時頃、急遽「緊急帝王切開」となり手術室へ運ばれました。想定していなかった出来事で不安になりましたが、6時40分長女「寧々」が誕生しました。

手術台の上にいる私に、医師が「お母さん、赤ちゃん取り上げましたよ」と言って下さいましたが、泣き声も姿もなく、薄れていく意識の中で何か良くないことがあったのでは・・・とそればかりが頭から離れませんでした。その後、助産師さんが「お母さん、分かりますか?元気な女の子ですよ」と生まれたばかりの元気に泣く赤ちゃんを抱いて見せて下さいました。あれほど安心し嬉しく思えたことはなかったように思います。(赤ちゃんの姿を見た途端、意識はなくなりました・・・)

翌日、ガラス越しでしたが、ようやく赤ちゃんと対面することが出来ました。何とも言いようのない感動でした。生まれてきてくれたこと、親にしてもらえたことに感謝するばかりでした。しかし、いざ子育て(母親1年生のため子育てといえるかどうか・・・)してみると、本当に大変な毎日で驚いています。

それでも、私は、住職をはじめお母さんやお姉さん、お寺の方々、ご門徒の皆様に助けていただき、随分と楽な母親をしていると実家の家族に言われました。

まさにその通りだと思います。いつも誰かに助けていただいてなんとか1ヶ月過ごすことができました。これからも皆様に助けていただきながらの子育てとなるかと思いますが、どうかよろしくお願いいたします。

寧々には、皆様に色々なことをお教えいただきながら、多くの人達と関わりを大切にするような子、お父さん(住職)からの初めての贈り物となった名前に負けないよう彼女がこれから関わる人を大切するような子に育って欲しいと思います。

最後に、「全てにおいて1年生(妻・嫁・母)」の私で、皆様には今後もご迷惑をおかけすることと思いますが、親子共々よろしくお願いいたします。

この記事が掲載されている寺報やすらぎ