御文章 ひらがな版 ―拝読のために―

法話の際必ず「御文章」の拝読を行います。別名「お文」と呼ぶように、本願寺第8代の蓮如上人が折にふれ門信徒に与えた手紙であります。
蓮如上人のお手紙のうちで後世に伝わったものは、250余通とも500余通ともいわれます。
その中から、上人の孫にあたる円如上人が80通を選んで、5冊に編集されたものを「五帖の御文章」と呼ばれています。

もともと、蓮如上人が、浄土真宗の正しい教えが広く伝わり、誤った解釈をただすようにと願って、真宗の教えの肝要を簡潔・平易な言葉で綴って、これを手紙のかたちで門信徒に示され、のちに蓮如上人ご自身の発案で、門信徒の集会の場で朗読するようにと決められことで今日迄続いているものです。

本書は、蓮如上人500回遠忌法要を記念して、35通選定して有縁の方々が正しく拝読し、お説きくださった趣旨をよく理解いただくよう配慮して制作した解説書です。
拝読の方法を考慮して本文にわかりやすい読み仮名と拝読符号を付し、脚註は特に説明が必要と考えられる262語に本文下部に初出の言葉のみ示されているのと、巻末註は難解で留意すべき重要な言葉や頻出する言葉について、まとめて五十音順に59語掲載し、辞書的役割を果たすようになっています。

本文の次には現代語に訳した大意が書かれてありまして良く理解できるように構成されております。
一例を掲載しますと、布教使様が法話の最後に拝読します「聖人一流章」の大意

親鸞聖人のひらかれた浄土真宗のみ教えでは、信心が根本です。そのわけは、自力のはからいを捨て、一心に阿弥陀如来に帰命すれば、思いも及ばないすぐれた本願のはたらきによって、如来が私たちの往生を定めてくださるからです。
往生が定まったその位を、「一念発起入正宗之聚」と(本文下部に説明あり)示されています。そして信心を得た後に称える念仏は、如来が私の往生を定めてくださったご思いを報じる念仏であると心得るべきです。

以上各家庭にあります「日常勤行聖典」と比較して見てください。
発行 本願寺出版社 定価700円(税別)